四国圏カーボン・オフセット推進協議会

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連載コラム「未来への挑戦」(第1号)

連載コラム「未来への挑戦」 第1号

今年も、四国圏カーボン・オフセット推進協議会の活動として、カーボン・オフセットの普及とクレジットの販売促進に邁進してまいります。会員の皆様、御協力のほどよろしくお願いします。 今年の活動は、「未来への挑戦~Save the earthは君たちから始まる。~」をコンセプトとして掲げ、様々な取り組みを展開してまいります。
そこで、これらの協議会での取組を会員の皆様をはじめ、広く一般の方々に知っていただくために『連載コラム「未来への挑戦」』を掲載することになりました。このコラムは定期的なものではなく、できるだけ早く様々な情報をお伝えするために、研修会、イベント等の取組の度に掲載してまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いします。


平成26年9月24日

四国圏カーボン・オフセット推進協議会 吉川 聖真

それでは早速、その記念すべき第1号として、9月17日(水)の四国圏カーボン・オフセット推進協議会分科会、9月18日(木)のカルビー(株)カルネコ事業部様の高知県視察訪問についてお伝えします。

四国圏カーボン・オフセット推進協議会分科会(第2回会合)

日時:9月17日(水)10:30~12:00
場所:サンピアセリーズ3階松竹

乗り遅れそうになりながら、切符も買わずに川竹と飛び乗った8月1日の岡山行き土讃線「南風」。初めて、列車を待たせた。車掌さんごめんなさい。
汗を乾かすのに、しばらく扇子が大活躍。あの時は、蒸し暑いのと冷や汗でやけに暑かった。
思えば、高知市ではあの日から30日間雨が降り続いた。

岡山でのJ-クレジット制度の全国説明会が始まる前に、4県に集まってもらい、環境省の特定地域協議会運営業務の応募に関する分科会第1回会合を開いた。
この会合では、四国4県の協力のもとに(一社)高知県山林協会が四国圏カーボン・オフセット推進協議会として応募することに対して、理解を求め了承されたところだ。
この後、“特定地域”に応募しなんとか採択されることとなり、今年度の活動内容について分科会メンバーに説明する運びとなった。
この分科会は、協議会にとっては重要な位置づけにある。
なぜならば、“特定地域”は四国4県が主体的に活動することとなっているからである。そのためには、4県の方々に活動内容とか活動方針について理解される必要がある。
いわば、「事前レク」であり「決済」の場なのである。
今年は、「未来への挑戦」これをコンセプトに掲げた。
カーボン・オフセット専属になり5年目。その経験からこの「挑戦」の言葉にたどり着いた。何とかしたいという思いからである。
サブタイトルが「Save the earthは君たちから始まる。」である。
子供たちへの環境学習。とにかく、小さい時から地球環境に関心を持ってもらいたい。
もちろん、子供たちだけでなくそのお父さん、お母さん、兄弟姉妹やおじいちゃん、おばあちゃん。さらには、ご近所の方。職場の方へと。
どんどんと広がりをもって地球環境や温暖化に関心をもってもらい、一人でも多くの方々に「地球を守る」取り組みに参加してもらいたい。
自分たちでできることからはじめよう。
そんな思いから、今年は私たちが掲げた目標を達成するために頑張っていきたい。
環境、カーボン・オフセット等の出前授業もその一つである。1,500人目標である。

この協議会、発足当時は今の名称とは少し違っていたが、平成24年に設置した。22団体からスタートした。今は50団体を超えている。
地方自治体、企業、林業団体、プロバイダーもいれば建設業もいる。
最近はやりの「生物多様性」ではないが、「多様な人」がいるために色々な意見がポンポン出てくる。ユニークな発想も多い。右左で180°異なる意見が出たりして、司会役の私にとっては操縦桿を握る手が震える瞬間である。
とは言いいつつ、協議会運営にとってはありがたい意見である。
多くの貴重な意見を反映させながら、四国のために、ひいては地球のために尽力していきたい。 9月22日からスタートである。

続いて、制度説明会。
50人以上出席している模様で、会場はほぼ満席だ。これは、全国説明会(岡山会場)の約2倍だ。 「来年は高知でやってよ説明会」。俳句や川柳ではない。
2部編成の第1部は、あまり売れていないクレジットを何とかしたい思いから組んだプログラムと講師である。有名な人たちなので所属は省略するが竹田さん、加藤さん、荒尾さんとなかなか濃い面々。
しかも、司会は3年間の環境省出向から帰還した三好さん。楽しみだ。

J-クレジット制度説明会及び高知県版J-クレジット制度説明会

日時:9月17日(水)13:30~16:00
場所:サンピアセリーズ3階マリン
資料はコチラ

まず、竹田さんから制度の話である。私も5年目なので話す内容は理解できる。ただ、制度の変更される部分に頭がついて行かず、脳に刷り込まれない時がある。
3回くらい見聞きしてやっとみたいなところがある。
老化の極みか、生まれつきなのか。
引き続いて、竹田さんが事例紹介。 最近は色々な事例のケースが出てきた。秋田の八峰美人、金ヶ崎のリンゴ。高知でも宿泊施設や夏祭り等新しいオフセット事例が出始めた。事業者には参考になる。
これからも、できるだけ多くの事例を紹介してほしい。
そして、いつどこで誰が誰に何をするのかを話してほしい。
売れないとなげいている事業者は、そこが知りたいのだ。
しかし、事業者にも課題は多い。販売のためには価格を決めて活用者に魅力のあるクレジットの特色をPRするなども必要である。そしてなんとか販売につながってほしいものだ。

次の出番は、加藤さん。
題名がいい。「普段のお買い物を通して環境貢献!もっと身近にカーボン・オフセット」である。
日本各地での最近の気候変動から入る。高知県や四国の方々には、日常的に感じていることなので理解しやすい。
クレジットが11%しか売れていない。これをどうやって動かすのか。さあ、どうする。
チャレンジ25からFun to Shareへ。
EVI推進協議会も参加事業者62団体となった。四国では愛媛、香川がまだ参加していない。これを機会にお世話になってほしい。
MOW(モウ)、フルーツドライ、八峰美人、さくらんぼ、なると金時、トマト、ゴーフレットすべて森林の支援になる。
ついにSuica(PASMO)での1タッチで全国の森林支援ができる、いわゆる「大丸有」のキャンペーンが始まったという話。
いよいよここまで来たかという感じ。次は、yahoo、楽天、アマゾン・・・か。どうだろう。
森のめぐみのおとりよせの紹介。キッチン用品や文具、雑貨、家具等を取り扱っている。これも全国の62か所の森から応援したい森を選べる仕組みである。高知の木工品もラインナップしている。
シールの話。シール代金(1シート50枚)300円のうち50円が日本の森、水、空気を守る支援金となる。つまりシール1枚で1円の支援金である。
シールを貼ることでたちまちオフセット付商品になる仕組みである。Fun to Shareとの組み合わせで、一目で何の役に立っているかがわかる。素人の私が見ても、デザインのバランスがいいシールだ。つまり、一般消費者が見て気になるデザイン、秀逸だ。
シールによる簡単クレジット付商品の販売は、高知でも昨年から行っている。四国カーボン・オフセット市場でも販売しているのでご利用ください。まずは、サイトに来てください。 加藤さんの最後の締めは、「全ての商品にカーボン・オフセットを!」。初めは少ない商品から始めようということである。オフセット商品であふれかえる世の中が来そうな予感がする。
やはり熱かった。
ともに一歩前へ。トイレではないが記憶に残る言葉だ。

濃い面々の最後は、意見交換として荒尾さん。
この3月までカーボン・オフセットを担当していた高知の日本のトッププランナーである。
今は高知県の出先機関である中央西林業事務所の間伐担当チーフだ。
ということで、出先機関としてできることについて語った。
新規プロジェクトの提案、計画書の作成支援。
本来業務をはずれているような気もする。大丈夫?
協議会としても、県の予算の中で動いてくれれば大変助かる。
個人の取り組みとして、高知県森林インストラクター会やネイチャークラフト研究会について紹介した。
インストラクター会は、クレジット購入しているようである。
ネイチャークラフト研究会は高知県産の自然素材で商品、ノベルティを企画、製造している。このすべての商品にカーボン・オフセットシールを貼付し、一般消費者に普及啓発している取組。
農業、漁業、きのこ、さんご他にも何でも専門にする彼。○○師という言葉が似合う人間である。
時間が足りなかったが、久しぶりに彼の話を聞けた。 満腹感はないがここで10分の小休止。

休憩後に第2部再開。
2部は高知県の制度説明会であるが大半の人が残っている。これは盛会だ。
荒尾さんの後任でこの4月からカーボン・オフセットを担当している宇久チーフが高知県版J-クレジット制度の概要、高知県内のカーボン・オフセットの取組事例と今後の方向性について説明した。

高知県版J-クレジット制度の概要では、排出削減プロジェクトを取り扱っていく予定であることがポイントになる。現在、国に対し方法論の追加申請中だ。
運営委員会が開催され、そこで方法論の追加が承認されればスタートだ。
レース前の競走馬に向こう流しまで鞭を入れたい心境だ。一日も早い委員会開催が待たれる。

引き続いて、取組事例と今後の方向性の話。
和民のカクテルやカシオのゴルフトーナメント等、これまでの事例やごく最近の土佐の宵祭り、黒潮本陣、公共工事のオフセット等が紹介された。
最近の購入傾向も示され、小口、公共工事が特徴的。
今後の販売戦略は県内小口、協働の森づくり事業とのセット、公共工事オフセット、地域クレジットを活用したオフセット推奨だ。
年内には、売買契約についての説明会を開催するようである。
さらに事業者や自治体をサポートしてほしい。

1部で白熱したため、予定時間をすでに超過しているが、最後のトリは認証センター森本。テーマは移行措置と永続性管理。
“硬い”内容だが、制度上大変重要な部分である。 J-VER、県J-VERだけでなく国内クレジットからの移行についても説明があり、参加者には参考になったことであろう。
永続性管理については、参加者みな興味深い。今年は特に大雨が多く大変だ。
高知県J-VER11件はすべて高知県版J-クレジットに移行した。
平成43年まで書類提出や森林の管理、確認をしなければならないとは、酷な話だ。

以上が制度説明会だがあっという間に終わった感がある。
今後も、さらに内容を充実させたい。

夜の部は、みんなで市内の居酒屋へ。「ひろめ市場」のすぐ近くだ。2時間飲み放題で予約し、リサーチ十分で事前準備は万端のつもりだったが・・・。
まさか、生ビールがないとは思わなかった。初めての店ではなかっただけにショック。
昼間熱弁をふるった濃い面々は、夜の高知でも熱い。彼らを中心に会話も弾む。
私は、明日の運転を意識し、ビールからレモン酎ハイに切り替え、さらに芋焼酎と梅酒を同時注文し、交互にゴクゴク。普段なら芋焼酎5~6杯だがこの辺にしておこう。
加藤さんの1本締めで2時間ちょっとでお開き。
支払いを済ませ、解散。今度は魚の美味しい別の店にしよう。
加藤さんと草野さんをホテルまで送り、タクシーに乗り込む。
ここで現実に帰る。飲み代より値段が高いタクシー代が恨めしい。

前日の長丁場から一夜明け、今日はカルビー(株)カルネコ事業部様の視察に同行した。 つまり運転手。
8時10分過ぎに宿泊先の「ザクラウンパレス新阪急高知」でカルビー(株)加藤さん、草野さんが乗車。いざ、出発。

カルビー(株)カルネコ事業部様林業地視察

日時:9月18日(木)10:00~11:00、13:00~14:00
場所:によどマッシュルーム生産組合、池川木材工業(有)

まず、高知と愛媛の県境近くにある「によどマッシュルーム生産組合」へと、“カーボン・オフセット専用VIP送迎車「アルファード」”を走らせた。休憩含めて2時間弱の片道である。
途中“色々”あったが、なんとか10時にマッシュルーム生産組合に到着。
まずは名刺交換後、時間もないので早速本題へ。
加藤さんから「本来なら廃棄処分としているマッシュルームをなんとか商品化して販売できないか。」と提案。 生産者としてはいいものを消費者に提供したく、捨てるようなものは売りたくないのが心情。
では、実際に見た目だけの判断で捨てているのか。古くなると、味は落ちるのか。
いやそうではない。「これまで出荷していた見た目が白いものは「若い」、廃棄していた黒いものは「大人の味わい」がある。」と生産組合の竹内さん。
「じゃあこれを売りにしよう。」と加藤さんが立ち上がる。
白と黒の2つを差別化すると前者は若くて高価、後者は味わいがあって安価。
「消費者にとってお買い得か、割安かを見せることが必要だ。」と竹内さん夫婦に語る。
乾燥したものをお菓子にすることもあり得るが乾燥工程が入りCO2を排出することになる。
まずは、生で販売チャレンジして道の駅などでテスト販売してコミュニケーション展開を見る。
マッシュルームを試食したが「ぷりぷりホロホロ」の食感。
「マッシュルームほろほろサラダみたいな命名もいいんじゃないか。」と次から次へとポンポンとでてくる加藤節の炸裂に一同感嘆。

販売のコツとして、最初は無理せずに売れる分しか納品しない。そうすると店頭に並べた分はすべて売れる。買いたい人がなかなか買えない状況を作ることが重要らしい。
毎日、農産物を出荷している私にとって、大変参考になるとともに共感できる部分が多い。
最後に加藤さん。「白・黒の片方だけを売ろうとしないこと。両方を売っていきたい。一歩づつ進んで行きたい。一気にやらないこと。提案するので気に入ってもらえたら始めたいと思う。がんばりましょう。」 別れ際の竹内さん夫妻の笑顔が印象的だった。

昼食は、15分ほどの「中津渓谷 ゆの森温泉」でシェフおすすめの田舎弁当を堪能した。器が凝っていて「料理の見せ方が上手」と加藤さんがベタ褒め。私はもう少し量が欲しかった。満足してもらえただろうか。
食事後、施設内の売店見物。ここでも加藤さんの旺盛な商魂を垣間見る。地元特産のトマトを見て、「このPOPは手抜きだ。」と一喝。
ノーハウを少しでも盗もうと、どのようにすればいいかと尋ねると「ここをこうして、これをこうして、こっちにこれをもってきて・・・ああしてこうして。」 ふむふむ、そうか。なるほど。いただき。まさにプロである。
期待通りに意図的に頻繁に出てくる親父ギャグに笑いながらも、あっという間の1時間を過ごした。

つづいては、温泉から15分程の旧池川町にある池川木材工業(有)での商談。
EVI推進協議会の“森のめぐみのおとりよせ”について、1%は森林に還元されるシステムであることを説明。全国62のクレジットから選べるようになっており、応援したい森を選択できるようになっている。
加藤さんの話に営業部長、技術部長が熱心に耳を傾ける。
加藤さんは、池川木材の名刺入れを“森のめぐみ”のラインナップに入れたいようである。
あいにく社長さんがカンボジアに行っておりお会いすることはできなかったが、前向きに検討してくれそうな雰囲気である。
手ごたえあり。
池川木材のお土産は「名刺入れ」。双方とも商売上手だ。
飛行機の時間も考え、午前中の“色々”なこともあり予定より10分早めに空港へと帰路につく。 途中、日本一の清流「仁淀川」沿いにある土佐和紙工芸村でトイレ休憩。
アテンドしてくれた荒尾さんを勤務先の中央西林業事務所で降ろし、あとはノンストップで空港へ。予定通りの時刻(出発45分前)に高知龍馬空港に無事到着し、私の役割は終わった。ホッとする瞬間である。
加藤さん、草野さんと強い握手をかわし一か月後の再会を誓う。
また、お越しください。

環境のために、森のために目指す志の方向が同じであることがわかり、有意義な2日間であった。

こんな感じで、連載コラム「未来への挑戦」を続けていきたいと思います。末永くよろしくお願いします。

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